造影剤クイック計算ツール|体重法・体表面積法でヨード量・注入速度を計算
体重比例法と体表面積法(BSA)の両方に対応。相(造影剤・希釈・生食・待機)ごとに必要ヨード量(mgI/kg または mgI/kg/s)と注入時間を設定して、インジェクタにそのまま入力できる注入プロトコルを作れます。二段階注入・分割注入・クロス注入のプリセット搭載。すべてブラウザ内で計算し、入力データは外部に送信しません。
造影剤量の求め方|体重比例法と体表面積法(BSA)
CT造影で必要なヨード量を決める代表的な方法に、体重比例法と体表面積法(BSA法)があります。どちらも「目標とするヨード量」から造影剤量と注入速度を求める点は同じですが、基準にする体格指標が異なります。
① 体重比例法:体重あたりの目標ヨード量(mgI/kg)を基準にします。簡便で広く使われます。
必要ヨード量[mgI] = 体重[kg] × 目標ヨード量[mgI/kg]造影剤量[mL] = 必要ヨード量[mgI] ÷ ヨード濃度[mgI/mL]
② 体表面積法(BSA法):体表面積あたりの目標ヨード量(mgI/m²)を基準にします。BSAは身長も反映するため循環血液量・心拍出量との相関がよいとされ、体格差による造影効果のばらつきを抑えやすいのが利点です。本ツールはMostellerの式でBSAを求めます。
BSA[m²] = √( 体重[kg] × 身長[cm] ÷ 3600 )必要ヨード量[mgI] = BSA[m²] × 目標ヨード量[mgI/m²]
ヨード量の2つの指定モード:本ツールでは相(フェーズ)ごとに必要ヨード量と注入時間を入力します。
- 総量で指定(mgI/kg):相に投与する総ヨード量を決め、注入時間で割って注入速度を求めます。腹部ダイナミック等の一般的なプロトコルで使用 → 注入速度[mL/s] = 造影剤量[mL] ÷ 注入時間[s]
- 注入速度で指定(mgI/kg/s):体重あたりの1秒あたりヨード注入量を指定します。冠動脈CTA等、ヨード注入速度(IDR)が造影効果を規定する検査で使用 → 注入速度[mL/s] = 体重[kg] × 目標[mgI/kg/s] ÷ ヨード濃度[mgI/mL]。相の投与量は「× 注入時間」で決まります
注入プロトコル(相):インジェクタの設定と同じように相を1つずつ追加してプロトコルを組めます。二段階・分割注入では相ごとに必要ヨード量と注入時間を設定します。代表的なパターンはプリセットで呼び出せます。
- 単相注入:全量を一定速度で注入し、生食で後押しする標準的な方法
- 二段階注入(biphasic):前半は多く(速く)・後半は少なく(遅く)注入し、時間濃度曲線(TDC)のプラトーを作って造影効果を持続させる方法
- 分割注入(split bolus):造影剤を2回に分け、間に待機時間を置いて注入。実質相と排泄相など複数の造影相を1回のスキャンで得る方法(CT urography 等)
- クロス注入(同時注入):純造影剤相のあとに造影剤と生食を混合した相(希釈造影剤)を注入。右心系の高濃度造影剤によるアーチファクト低減などに用いる方法(心臓CT等)
計算例:体重60kg・身長165cm(BSA約1.66m²)の場合、体重比例法500mgI/kgでは必要ヨード量30,000mgI・造影剤量約85.7mL(濃度350mgI/mL)。30秒注入なら約2.9mL/sです。これは体表面積法では約18,100mgI/m²、注入速度指定では約16.7mgI/kg/sに相当します。
※ 目標値は施設プロトコルにより異なります。除脂肪体重(LBM)法や、心拍出量を考慮した時間濃度曲線シミュレーションは将来拡張・別ツールで対応予定です。
▶ 時間濃度曲線(TDC)の薬物動態シミュレーションは CT Contrast Simulator をご利用ください。
RT-Lab は現役の放射線技師が AI を活用して開発しています。開発の舞台裏や「放射線技師 × AI」の実践を note で発信中です。
noteで読む →[2] 体重比例法によるヨード投与量設計(各施設の造影プロトコルに準拠してご利用ください)。